株式会社フロンティア薬剤師採用

強みを最大限発揮して働く

私が働き始めた頃、まだ薬剤師の仕事は「処方せんに基づいて調剤する」といった受動的な業務が中心でした。しかし近年は、多職種の方と連携しながらより能動的に患者さまをサポートすることが重視されています。

とはいえ、今までのやり方や意識を変えなさい、と言われても、誰もがすぐに対応できるわけではありません。私は管理薬剤師として店舗のスタッフを引っ張っていく立場にありますから、まずは自分が積極的に行動すること、そしてプラスの表現で言葉にするように心がけています。ポジティブな環境であれば、一人ひとりが強みを最大限発揮して働けると思いますし、それが最終的に患者さまのより良い治療へつながるからです。

ちなみに私の強みは「きく」ことだと思っています。患者さまの中には、薬剤師に健康状態や症状を深くきいてほしそうな方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。何が違うのか……。それは、「一切何もきいてほしくない」というわけではなく、「信頼関係もないのに、なぜ話さなければいけないのか」という気持ちがあるからではないでしょうか。ですから私は寡黙な患者さまであっても「話したくない方」と決めつけて薬の説明を始めるのではなく、雑談や自己開示してもらえるような質問を投げかけて関係を築くようにしています。

患者さまの想いを汲み取り、 つなぐのが薬剤師

昨今、複数の薬を服用することによって発生するポリファーマシーが問題となっています。たとえば、以前私が担当したある患者さまの中にも、メンタル疾患、高血圧、骨粗しょう症で用いられるような複数の薬を長期に渡り服用されている方がいらっしゃいました。

その方は医師に自分の想いを訴えることが少ないように思われる患者さまでしたが、ある日の服薬指導中に「私は鬱じゃないからね」とおっしゃられました。話をきいていくと、手の震えや注意力の低下といった副作用の発現も懸念されることから、患者さまに減薬の意向を確認し、そのことを医師に提案。医師と連携しながら治療を進めた結果、一種類は処方から削除、二種類を漸減と減薬につなげることができました。

薬を減らしたことによる症状の悪化もなく、以前よりもハツラツとされている患者さま。そのことをお伝えすると笑顔で「そうかな。でも手の震えの症状もなくなったし、薬がなくなって本当に良かった。」と言っていただくことができました。

人に向き合うというのはどういうことなのか、言葉で言い表すことは難しいように思います。ですが、患者さまが求めていることを汲み取り対応することが、薬剤師の役割だと考えています。これからも患者さまの想いに耳を傾け、医師につなぐことで、患者さま個々に合わせた医療に貢献していきたいと思います。

地域の かかりつけ薬剤師として

現在の私の目標は、患者さま個々のニーズに合わせた対応を行い、地域の方から信頼される薬剤師になること。前提として、患者さまが最初に行くのは病院・診療所です。この先生に診てほしいという気持ちで受診され、そのつながりで薬局に来られます。

患者様が選ばれたその医療機関から近い当薬局で、まずは顔を覚えてもらい、患者さまと関係を深めていくことが、薬剤師として重要なことだと考えています。なぜなら信頼関係を構築することが、患者さまの抱えている悩みや不安を引き出すことに繋がり、患者さまの負担を減らすことになるからです。

私は薬剤師ですからその症状をきいて診断することはできません。しかし、患者さまとのお話をもとに受診勧奨をすることはできます。患者さまが服用されている“薬”の相談役という枠を超え、もっと広く深い“医療”に貢献できるような「地域のかかりつけ薬剤師」を目指しています。